第1回勉強会を開催致しました

約60名の方にご参加頂きました。進行にご協力頂き、誠にありがとうございました。
​初めに3つのテーマについて話題が提供されました。資料をご覧ください。
全体会の後、テーマごとに分かれて議論を深め、再度全体で集まって話し合いました。
ご参加頂いた方がお寄せくださいました講演の概要や話し合いのご感想等を紹介致します。
【テーマ1】地域における新しいケアモデル
【テーマ2】地域連携に向けた病院改革
​【テーマ3】地域で活躍する人材の育成

看護未来塾第1回勉強会

テーマの趣旨

 

 看護未来塾発足後最初の勉強会は、「健康で住みやすい地域づくりのために看護は何ができるか」という問題意識を共有し、多くの高齢者、患者、障害者の方々が望んでいる<住み慣れた地域で安心して療養を継続したい><人生の最期は自分の家で迎えたい><自分の望むところで今までと同じような生活を維持していきたい>というニーズに看護はどう応えていくことができるかということを、次の3つのテーマから考えていきたいと思います。

 この勉強会は参加型を旨とし、参加者一人ひとりが自分の関心のあるテーマについて積極的に発言し、議論に参加してくださることを期待しています。

 

【テーマ1】地域における新しいケアモデル

 国民医療費の適正化や2025年問題への対応として、医療機能の分化を進めて地域との連携を強化し、在宅医療を充実させるという政策が掲げられている。平成28年度の診療報酬改定においても「患者が安心・納得して退院し、早期に住み慣れた地域で療養や生活を継続できるための取り組みの推進」が改定の基本方針の一つとなっており、多くの急性期病院では在宅復帰率を高めるための退院支援は最重要課題となっている。

 急性期医療を充実させて、入院日数を短縮し、療養の継続が必要な患者をできるだけ早期に在宅医療へ移行させることは、患者にとって有用であるが、この施策の実行は、患者が退院していく地域の受け皿を同時に充実させることができなければ、患者や家族が苦しむことになる。

 テーマ1では、高齢患者に限らず、がん患者や難病患者、障害児など退院後も継続して医療的ケアを必要とし、安心できる環境で療養を継続する必要のある人々に対し、その人たちが望む場所で日常生活を維持しながら必要なケアが受けられる状況を看護がどう作っていけるかということを議論したい。

 また現在、地域で療養を継続するための支援として提供されている看護ケアモデルを発掘し、その成果を検証する方法や保健医療福祉制度へ組み入れていく方策についても検討したい。

 このテーマについての話題提供者として、長岡福祉協会高齢者総合ケアセンターこぶし園の吉井靖子氏に実際に地域で取り組んでいるケアモデルを紹介してもらう。

 

【テーマ2】地域連携に向けた病院改革

 この十数年間で、平均在院日数は約2週間短縮している。入院日数の短縮には、退院後の療養継続への移行支援と外来看護の機能を充実させることが不可欠である。外来看護は病院のみならず、地域の診療所における看護ケアも含まれる。外来は人々の暮らしの場である地域との接点であり、生活しながら療養する患者、病気と共存しながら生きている人々にとって極めて重要な場であり、早期退院を支える重要な受け皿の一つである。病気の悪化予防や再入院の防止、患者のセルフケアを高めるために外来で看護が果たす役割は極めて大きいと言える。入院患者中心の看護から日常の暮らしの場から通院する外来患者の看護にもっと目を向ける必要があるのではないだろうか。

 テーマ2では、地域連携の端緒として、生活の場との接点である外来で看護が取り組むべき課題は何か、外来看護をどう変革していけばよいかといったことについて議論したい。

 このテーマの話題提供者として、高知県立大学看護学部の森下安子氏に地域医療・看護の変革への始動と題して高知県の事例を紹介してもらう。

 

【テーマ3】地域で活躍する人材の教育

 地域における新しいケアモデルの構築と実践、地域連携に向けた病院改革の実行に携わる人材の育成は喫緊の課題である。長い間、看護教育は病院で働く看護職の育成を中心に行われてきた。2000年に介護保険制度が発足し、訪問看護の推進・充実が叫ばれている最中にあっても、地域での看護力を強化する方向への教育の変化は生まれなかった。むしろそれまで大学教育で行われていた統合カリキュラムによる教育を否定する方向へと教育が変化していった。今、2025年問題が強調され、地域包括ケアシステムの推進という政策が打ち出されて、改めて地域ケアの志向性を有する人材育成、そのためのカリキュラム改革の必要性が強調されるようになった。

 人口の超高齢化、慢性疾患の増大、病気の予防や健康の維持・増進の強化、国民のヘルスケアニーズの多様化、看護を提供する場の広がりなどにより、どんな場でも、どんな健康状態の人に対しても、その時その状況で必要な看護ケアを提供できる人材の育成が求められている。看護師か保健師かといった免許による職能イメージではなく、また、従来の医療の枠組みに捉われることなく新たな発想による看護教育の再構築が求められている。

 テーマ3では、病院中心の看護から脱却し、地域で、人々の暮らしに寄り添い看護を提供できる人材、人々や社会が求めているケアを創出できる人材を育成する方策について議論したい。

 話題提供者については、看護基礎教育から大学院での高度実践家の育成まで視野に入れて、検討中である。

​                                                       平成29年1月4日(水)